//「最初の1分間の対応が重要です」外国人成約率が高い仲介会社の実践ノウハウとは

「最初の1分間の対応が重要です」外国人成約率が高い仲介会社の実践ノウハウとは

今回は、外国人のお部屋探しをお手伝いする際のポイントについて、どういった企業さんが上手くいっているのか。

株式会社リアルエステートジャパンのシニア・セールス・コンサルタント 山本淳一に話を聞きました。

「海外には仲介会社さん自体が無いので、電話口の向こうでは、いきなり電話してきた変なヤツと思われているかも」

―――最初に山本さんの簡単なプロフィールを教えて下さい。

私自身はバイリンガルと言いながら、高校までは日本にいたので、日本と海外それぞれの習慣・感覚を活かせるような仕事に就きたいと思っていました。グループ会社のジープラスメディアも含めると、10年近く外国人と日本を結びつけるビジネスに携わってきたため、コミュニケーションをはじめ文化の違いにおける数々の苦労や困難を目にしてきました。

―――早速ですが、反響から成約につながっている企業さんは、どういう所に気をつけているのでしょうか。

最初に気をつけるべきなのは、外国人のお客さん目線で、彼らがどういった状況で、日本でお部屋探しをしているのか理解することが重要です。

海外からみると、日本の不動産システムはかなり特殊です。私がいたニュージーランドでは仲介会社・管理会社といったシステムはなく、新聞広告にオーナーが直接広告を出して入居者の募集などをしていました。記載の電話番号に直接電話して家を見にいく、という形で個人同士でつながることができ、簡単にお部屋探しができていました。

国によって賃貸における商習慣はそれぞれですが、外国人にとって物件への問い合わせは即ち特定の家の内見を予約する行為だという認識なんですね。

このように、自国での感覚を持ったままの外国人の方から「品川区のOOコーポ101号室を内見したい」と言った問い合わせがあった時、例えば、電話で唐突に、

「在留資格はお持ちですか?何の在留資格ですか?」
「失礼ですが、どんなお仕事をさせていますか?年収はおいくらでしょうか?」

といったような質問攻めにしてしまうと、外国人の方からすると、

『なぜ、こんな事を聞かれるのか分からない。なんなんだ、この人は!?』

といった反応になってしまいます。つまり、国によって違うとは思いますが、基本的に外国人の方は、まず仲介会社さんの存在自体に違和感があります。というよりも、仲介会社さんというのがどんな事をしてくれるのか知らないケースが多いのです。

―――なるほど。別のインタビューでは、トラブルを起こす方をスクリーニングする為には、「絶対に在留資格や職業を確認しましょう」という話がありました。でも、これも聞くべきタイミングがあるという事ですね。

はい、そうです。最初の接触の際には、まずは、
「あなたのお部屋探しをお手伝いします。ご希望された部屋以外にも、もしかしたら気に入って頂けるお部屋を紹介出来るかもしれないので、お話を少し聞かせて下さい。」
というスタンスで、自分は何者なのかを説明する事。
その上で最初は外国人の方の要望を丁寧にヒアリングしてあげることが重要です。

その後には当然、在留資格等の確認も必要です。(在留資格についてはちら
ただし、それを聞く際にも何故聞くのか、例えば
「一般的にオーナーさんが在留資格を気にされるのですが」
といったような説明をした上で聞いた方がいいかもしれません。

―――相手の背景を理解した対応と、合わせて日本側の背景を丁寧に説明することが重要なのですね。

他に初期対応で気をつけるべきことはありますか。

いきなり来店を促すのも違和感を持たれる傾向があります。多くの外国人の方が、まずは内見をしたい、という思いで問い合わせをしてくるので、ご希望の部屋の内見をご案内するのが優先です。

ただ、当然その部屋が彼らの希望とちゃんとマッチしているのかは別の話です。別途ヒアリングをしてその部屋自体が条件に合っているか、また別の部屋をご案内出来ないか、という作業はすべきです。

来店して頂く前の段階で、幾つかのお部屋の内見の予約を決めてしまい、一緒にお部屋を見ながら更に細かい条件等や確認事項をチェックしていくといいですね。

もう一点重要なのは、レスポンスの速さです。

外国人ユーザーへのアンケート結果でよく目にするのが、「メールや電話に対する反応の悪さに不満を感じる」という答えがみられるです。基本的なことではあるのですが、弊社で毎月集計している外国人ユーザーアンケートで好評価を得ている企業さんの中には、やはり対応のスピードや丁寧さを徹底していらっしゃる印象があります。

最初から反響に対する対応の話をしてしまいましたが、弊社の媒体を上手く使われている企業さんは、反響からの成約率が非常に高いです。なので、反響自体の数よりもそこからの成約率を気にされた方が最終的に成果につながる可能性が高いです。

 

物件情報の管理がきちんと出来る企業さんが最終的には成果を多く挙げています

―――とはいえ、反響自体が無いと何も始まらないと思われる企業さんも多いと思うのですが、媒体に物件を載せる時に、おすすめはありますか?

基本的には、外国人の方の物件選びも日本人と同じです。職場からの距離や、子供の学校など彼らの生活スタイルに合わせてお部屋探しをされるので、特にこの物件がいいというのはありません。

ただ、弊社がある麻布あたりには、昔から外国人が多く、幼稚園や外資系の企業も多いので、比較的人気のエリアにはなりますね。

あとは、広さが重要です。古さや駅歩よりも広い部屋を優先される傾向がありますね。これはやはり、海外の方が土地が広いので、日本に比べるとこれまで広い部屋で生活されてきた、という背景があります。
(※広さに関する外国人ユーザーのアンケート結果はこちら

―――多少、外国人の方特有の傾向はあるにせよ、物件自体ではあまり差別化出来ないという事になるんでしょうか。であれば、他になにか反響を集める為のコツのようなものはありますか。

まずは、情報をキチンと入れ込むことですね。弊社の媒体の入力項目は、他社不動産サイトと比べると決して多くは無いのですが、その項目を細かく網羅して貰う事が重要です。媒体自体の掲載順位のロジックも情報がしっかり入っている物件情報を上位に表示するようにしています。

何よりも情報が不十分な物件情報は穴だらけの履歴書を見るようなものです。書いている方の信頼度が疑われてしまうんですよね。

弊社の物件情報には一言コメント出来るような欄があるんですが、ここにも例えばペット可ならペット可、と特記すべき情報をキチンと書いておくだけで全然違います。

あとは、情報の鮮度ですね。やはり空室確認、せっかく問い合わせても既に埋まっていたりしていると、当然お客さんの食いつきも悪くなります。

結局は、そういった基本的な事をしている企業さんが最終的に成約件数を多く稼いでいると思います。

―――では、日本の物件情報をそういった形できっちり管理出来ている企業さんであれば、外国人の方に対しても高い成果が期待出来るという事ですか?

はい、そうだと思います。

ただ、写真だけはちょっとだけ工夫が必要かもしれませんね。いいカメラで解像度の高い写真で、なるべく明るく部屋を撮るというのは基本です。これに加えて外国人の方は、部屋の全体像を気にされるので、細かい設備の写真よりは、広角で部屋の雰囲気が伝わる写真が多い方がいいです。家具が付いていて、部屋の雰囲気が見えてきている物件なんかは人気がありますね。

あとは、近弊社で始めたVRも好評です。もしかたら、これは日本人よりも外国人の方の方に受けるのかもしれません。

 

英語対応出来る人材。加えて弊社のポータル。この2つがあれば外国人市場に参入出来ます。

―――何となく、どうやれば外国人の方から反響が取れるのかは見えてきましが、これから外国人市場に参入しようという企業さんは何が揃えば参入出来るんでしょうか。

まずは、英語対応出来る人材。加えて弊社のポータル。この2つがあれば殆ど問題ありません。(笑)

ポータルがいかに強いか、という話は置いておきますが、安定してアクセスがあり、そこまで参加されている企業さんも多くない媒体です。

もしかしたら日本人市場では強くない企業さんにこそ有利かもしれませんね。外国人の方は、日本人の方ほど有名な企業さんにブランドを感じていないので、東証一部の企業さんでも街の不動産屋さんでも弊社のポータルに並んだら横一列です。

―――あんなに毎月のように大手さんとの提携発表しているのに、それでポータルのブランドに箔がつくとか無いんですね。(笑)もしかして、フジサンケイグループというのもあんまり外国人には響かないんですか。

はい、ユーザーにとって選択肢が増える事はいい事ですが、それでどうこうというわけではありません。なので、会社規模に関係無く、とにかくユーザー目線で丁寧に対応して頂けば成果が出るという点ではフェアな競争環境です。ある意味では大手さんには日本人向けに築いたブランドというアドバンテージが薄くなってしまっている市場かもしれません。

―――なるほど。じゃあ、どの企業さんでも御社を知っているだけで、外国人市場参入条件の50%はクリアしていると。残りの50%。人材の確保が難しい気がするのですが、いかがですか。

採用するのが難しいという話ですよね。まず、社内に英語が話せる人材がいないとなると、最初の一人は日本人の方かある程度日本語が話せる外国人の方になりますね。

外国人対応チームが増えてきたら、GaijinPotという弊社のグループ会社のサービスがオススメです。外国人の仕事探しという点では圧倒的な認知度ですし、結構弊社とも両方使ってくれている企業さんもいるので。

―――せっかく営業して頂いたんですが、でも最初の1人となるとあんまり、なんですよね?(苦笑)

そうですね。(苦笑)最初の1人に関しては、普通の日本人と同じように求人ポータルを使えばある程度採用出来ると思いますよ。

ただし、募集条件がポイントです。不動産経験と英語の両方を求めるのはかなり難しいです。英語が話せることに加えて、接客経験がある(BtoCサービスの経験がある)で募集すると一定数は応募がありますよ。不動産経験は教えてあげる事が出来ると思いますが、英語や外国人に対する接客の部分は教えてあげられないので、そちらを優先すべきですね。

―――でも面接している側が英語話せない場合、応募者の方がどれ位英語話せるか判断しにくいんですが、どうやって判断すればいいですか。

難しいですね。実際に業務で必要になる最低限の英語レベルって電話でヒアリング出来るか、会話出来るか、がギリギリの合格ラインなんですよ。

これを見極めるのは幾つかあって、1つはTOEICである程度の点数を取っている方。英語を仕事で使っていきたいという意志があり、勉強もされていると思うので、目安にはなります。

2つ目は、海外経験が1年程度あるとか、何らか英語を使った仕事をしてきた経験があるかどうかが足切りのポイントですね。

でも、これ弊社でもコレくらいの英語力が必要だよ、というテストのようなもの用意した方が分かりやすいですよね。ちょっと考えてみます。

―――はい、お願いします。毎回お願いで終わっている気がしますが、日本企業が海外進出したり、外国人対応始めたりって結構大変なんですよ。外国人ばっかりの貴社にはわからないかもしれませんが・・・。

いえ、お客さんからは色々な話を伺っているので、是非その辺も含めてサポートしていければと思っています!既に申し上げたように、たった2点がクリア出来たら、媒体掲載まではお申込みは最短1営業日なのですぐに外国人市場には参入出来ます。今回のように、外国人の方への対応ノウハウ等も色々提示し、参入障壁を下げていけたら、と思っています。

―――分かりました。最後に自社の営業しましたね。(笑)では本日はありがとうございました。

ありがとうございました。

プロフィール

山本 淳一 (Yamamoto Junichi)

株式会社リアルエステートジャパン
シニア・セールス・コンサルタント

ニュージーランドの大学を卒業後、帰国。外国人向けメディア会社・株式会社ジープラスメディア(現在フジサンケイグループ)にてWeb広告営業を担当。バイリンガルの強みを活かし、外国人向けにインバウンドビジネスを展開する日本企業と外国人とをつなげるWebプロモーションで実績をあげる。その後株式会社リアルエステートジャパン(現在フジサンケイグループ)の立ち上げのメンバーとして、現在も不動産会社への営業をはじめ、セミナーやITサポートなどに携わる。

他の部署が多国籍チームで編成される中、日本人が半分以上のチームに所属。会社の中でも、日本企業の目線から外国人ユーザーとの架け橋を担う。

2017-09-19T15:01:49+00:00 2017年9月8日|カテゴリ: 専門家コラム|タグ: , , , , |