//外国人に賃貸で部屋を貸すとどんなトラブルが想定されますか?

外国人に賃貸で部屋を貸すとどんなトラブルが想定されますか?

今回は、外国人の入居者が起こしがちなトラブルはどんなものがあるのか。それにどうやって対応しているのか。

株式会社リアルエステートジャパンの外国人アドバイザリー事業部・事業部長 清水健に話を聞きました。

 

「一番多いトラブルは、騒音とゴミ出しです。」

ーーー最初に簡単にどんなお仕事を普段されているのか教えて下さい。

現在は、賃貸物件への入居を希望する外国人に代わり、弊社が貸主と賃貸借契約を行い、外国人に転貸するハウジングサービスの責任者をしています。対応するのも外国人ですが、現在のチームもバイリンガルなチームで、日本企業の中ではかなり特殊な環境で働いていると言えるかもしれません。

ーーー外国人入居者が起こす一番多いトラブルは何があるんですか。

そもそもの話ですが、外国人入居者が起こすトラブルは2種類あります。本人の人格に起因するものと、“知らない”から起こる問題です。
一番多いトラブルは、騒音とゴミ出しの話ですね。“知らない”ことで起こるトラブルです。

ゴミ出しは説明不足が非常にわかりやすい部分です。住んでいる地域によって分別の仕方から回収日まで違いますよね。
入居者が理解出来る言語で、これらを丁寧に説明するのはもちろんのこと、可能であれば内見時に外国人入居者にはゴミ回収場所も見てもらっています。

騒音の部分も、早朝や深夜の時間帯、木造、コンクリートなどの建物の構造によって音の響き方が違いますよね。木造であれば冬は乾燥して、より音が響きやすくなります。出身国によっては木造の家に住んだことが無い方もいらっしゃいます。その方や住居に合わせて、「どれくらいの音量なら大丈夫」「こういった時は特に注意してね」と説明する必要があります。単に「早朝深夜はうるさくしないように気をつけて下さい」では無く、「この時間帯にこの位の音量を出すとダメです」といったことを日本人の生活習慣や日本の住居の特徴と出身国の違いなどの背景と合わせて説明しています。

いきなりトラブルの解決方法の話になってしまいましたが、我々としてこれらは「ちゃんと説明しないとトラブルの火種になる要素」として認識しています。実際には彼らが理解しやすい所まで丁寧に説明すれば殆どトラブルとして発生することはありません。

 

ーーー一般的なイメージとして、外国人に部屋を貸すとタコ部屋のようになってしまったり、というイメージが強いのですが、そういった事は無いのですか?

もうずっと外国人の入居から退去まで見ていますが、タコ部屋なんて出てきたこと無いですよ。
基本的に弊社のユーザーが英語圏の方が殆どだというのが一番大きい要因かもしれません。しっかりとした職に付いていて、在留資格を事前に確認して、「この部屋の最大収容人数は何人だよ」というのを契約時に説明しているだけで、基本的にタコ部屋になんてなりません。もちろん、収容人数以上の入居者がいた場合、契約が解除されるリスクなども話しております。

ーーー大分イメージと違うんですが、家賃の滞納とかも無いのでしょうか?

当然、忘れていました、と言ったようなものはありますが、それで大問題になったことはありませんね。

 

「問い合わせがあった時から、入居審査と入居時のトラブルを防ぐ信頼関係の構築は始まっています」

ーーー家賃は自動引き落としとかにしているんですか?

いや、うちは基本的に毎月クレジットカード決済か振込みでお願いしています。
実は自動引き落としというのは、トラブルになりがちなケースです。
これも入居時にどれだけ丁寧な説明できているか、の話になってきます。よくあるのが、
自動引き落としの手続きが完了するまでに、2ヶ月程度のブランクがあって、最初の1月分は振込で対応して下さいね、というのは良く聞くケースです。
紙には書いてあるのかもしれませんが、英語圏の方だと日本語は話せても漢字が読めなかったりするので、事前にちゃんと説明していないと、理解されないので、「そんなの知らなった」となりがちです。
更に追い打ちを掛けるのが、引っ越しした際に、住所変更の手続きを区役所でして、郵便物の転送手続き等もしておかないと郵便物が届かない事があるよ、
という説明が出来ていない場合です。家賃が振り込まれず、管理会社から督促の手紙を出しても届かない。
早速家賃滞納か、と大問題になります。

ちなみに、振込も毎月かならずメールでリマインドをしていますよ。定期的に入居者と連絡を取り、信頼関係を構築し続けるのも滞納を防ぐことに繋がっている気がします。

ーーーメールなんてちゃんとチェックされているものなのでしょうか

逆に、ちゃんとメールをチェックして返信してくる、こちらから連絡をして連絡が返ってくる。こうゆう方を厳選しています。
これは、お部屋のお問合わせがあった時から、入居者の方の行動をきっちりチェックしていて、連絡が滞りがちな方かどうかは確認しています。
もう少し言えば、こちらからお願いしたことをちゃんとやってくれる方かどうかも見ています。
当然、一番最初の接触から、コミュニケーションの主導権をこちらが握るというスタンスは一貫して取るようにしているので、その上でコントロールが出来ない方に関してはお断りするということです。

ーーー意外と外国人の入居者でもトラブルを起こさない事はわかりました。でも、これって海外在住経験があるようなホントのバイリンガルのスタッフを揃えているからこそ出来ることであって、日本人しかいないような会社には難しいような気がするのですが、いかがでしょうか。

確かにそうゆう面もありますが、今の段階で言うとそんなに高い英語力が無くても十分対応出来ますよ。
何故かというと、英語・外国人に対応出来る不動産業者さんはそもそも多く無いです。加えてユーザーの声を聞いていると、英語対応している所でも外国人は後回しにされがちだという声があります。考えてみたら当たり前なのですが、日本人の方に入居して貰っても、外国人の方に入居して貰っても入るお金は一緒です。であれば、対応も手間が掛からず、ミスコミュニケーションも起こらない日本人の方を優先するのは当然です。そういった状況なので、外国人の対応というのは優先順位が下がって、ユーザーからすると、問い合わせに対する返信が遅い、雑だ、という声が多く聞かれるようになっています。

ーーーあれ、そうであれば外国人にわざわざ対応するメリットってあるんでしたっけ?

話の続きになりますが、さっき言ったような状況なので、外国人の方に、素早く丁寧に対応するだけで、英語力が低かったとしても、かなり相手の満足度が上がります。満足度が上がり、信頼してくれると、外国人の方は他に選択肢はあまり無いので、必ず信頼した業者で部屋を決めてくれます。日本人の方だと他にも選択肢があるので、他の業者さんだったり、他のいい部屋だったりで、どんなに頑張っても逃げられてしまう事がありますよね。なので、トータルで考えると、外国人に対応するのは手間は掛かりますが、その時間が無駄になる可能性は低いので、日本人よりも効率がいい、ということになります。
日本人の生産人口が減っていく中で早く外国人市場に参入した業者さんはこの辺りのノウハウを身につけつつあります。
外国人の方の特徴は、一度信頼すると、他に選択肢が余り無い状況なので、知人を紹介してくれる可能性や、再度引っ越す際に、リピートしてくれる確率も日本人より断然高いです。なので、参入の障壁はやや高いのですが、年単位で続けていくと日本人に対応しているよりメリットがどんどん大きくなっていくんです。

ーーーなるほど。それでもやっぱり細かいノウハウが無いと中々参入するのは難しい気がしてしまいます。

弊社としては、そのあたりのノウハウはどんどん公開していきたいな、と思っています。
私自身は付帯サービスの責任者をしていますが、結局弊社はメディアなんです。メディアの価値を上げるというのは、うちのメディアに問い合わせたら、みんなどの業者さんも気持ちいい対応をしてくれるというのは最大のユーザーエクスペリエンスです。
そうなると結果的に不動産業者の方も成約率が上がったり、トラブルが減ったりして、Win-Win-Winとなり市場自体がいい方向で成長していくと考えています。

ーーーでは、今後ノウハウは何とか時間を作って形にしていって下さい。(笑)

はい、頑張ります。(笑)

 

プロフィール

清水 健 (Shimizu Ken)

株式会社リアルエステートジャパン
外国人アドバイザリー事業部・事業部長

幼少期を米国・カリフォルニアで過ごしたのち日本へ移住。国内の大手保険会社に5年ほど勤務して顧客対応におけるB2Cの基礎とCS(Customer Satisfaction)の重要性を学ぶ。その後、自身の英語力を活かしたいとの想いで株式会社リアルエステートジャパンへ入社。顧客対応の経験と自身のバイリンガル性を活かし、外国人のお部屋探しのみならず外国人不動産市場へ参入する不動産会社をトータルサポート。ハウジングサービスの立ち上げに携わり、今現在はサービスの責任者として活躍をしている。

2017-09-19T15:01:32+00:00 2017年8月10日|カテゴリ: 専門家コラム|タグ: , , , , , , |