外国の方への不動産販売での言語のトラブル

 
以前、外国の方のお客様を相手に賃貸マンションを販売していた時、おもに言語の面でいくつかトラブルが発生しました。

一つ目が、「言葉のニュアンスの違い」です。私の場合は、お客様がある程度の日本語を話されていたので、会話自体が成立しないということはありませんでした。しかし、私たちにとって馴染み深い日本語が、「ある程度」通じてしまうことから若干の油断が生まれ、小さな言葉選びのミスが大きな問題になってしまうことがあります。

 
例えば、「地盤が比較的緩い土地なので…」と言ったとき、相手の方には「比較的」という言葉の度合いが分かっていないことがあります。そのニュアンスの違いの問題を無視したまま契約の段階まで話が進んでしまうと、最後の最後でお客様に満足していただけない結果となってしまうこともあります。

 
お客様に悲んでもらわないためにも、不動産屋としてしっかり売り上げに繋げるためにも、やはり言葉のすれ違いは早々になくしておくべきです。

 
この問題を解決するためには、可能な限り曖昧な表現を使わないようにすることが非常に大切です。昔から日本人は、「島」という閉ざされた土地で生活してきたために、できるだけ相手を大切にして、末永く関係を維持していこうという考えが強く根付いていました。

 
ですから、とにかく日本人は「はっきりものを言う」ということが大の苦手です。はっきり「それは悪いことだ」と言わずに、「それは良くはないことだ」という風に、若干濁して言う習慣があるのです。濁した表現は、外国の方には非常にわかりづらいので、濁さずにはっきり言うことが大切です。

 
二つ目が、「手書きの書類」です。上で述べたように、私の場合は、お客様が日本語を話すことはできたのですが、残念ながら「書くこと」はできませんでした。そこで、私が代理で書類を書くことになったのですが、権利や責任の関係から、すべてを私が書くことはできず、最後は弁護士さんに依頼することになりました。そして、なんとか無事にお客様には満足していただけました。

 
やはり言語の壁は簡単には乗り越えられないものです。しかし、努力次第でその壁はいくらでも低くなります。